こんにちは〜。
寒の戻りで若干声が枯れているPeDeでございます。
さて本日は、一木けいさんの『1ミリの後悔もない、はずがない』を読んだので、その読書感想文を綴っていきたいと思いますよー。
一木けいさんの『1ミリの後悔もない、はずがない』を読みましたー。
はじめに
この話は短編集です。
登場人物の学生時代と大人になった姿をそれぞれの視点で、主に各々の好きな人や好きだった人について描いた群像劇になります。
主題
おそらく日本全国のどの地域でも1クラスという単位でクラスメートの性格を分類していくと似たような比率に落ち着くような気がします。
クラスの中心にいる委員長気質な人。
悪いことをすることで存在感を放つヤンキーの人。
教室の隅で本を読んでいる人。
顔の可愛い人。
顔のかっこいい人。
運動部で日焼けした人。
などなどです。笑
もちろん表面上は違う人物なのですが、
あーそんな人いたいた。
と思えるような学生時代の登場人物の描写が上手で学生時代の感覚を久しぶりに思い出すことができました。
どの人も魅力的な描き方をされているのですが、私は特に由井が印象に残りました。
由井は身長が低い本をたくさん読んでいるような、年齢の割に変に達観した雰囲気を纏っている女の子というイメージです。
どうですか?
こういう人いましたよね〜。笑
私が学生時代だった頃にいた由井タイプの人は
あまり喋るのが得意なタイプじゃないのかなー、
と自分の持っている狭い尺度によって能天気に考えていたものですが、そんな彼女はもしかしたら内心ではこんなことを考えていたり、こんな経験をしたりしていたのかなー、と長い時間を経て理解したような気持ちになりました。
私の学生時代にクラスにいた由井タイプの女の子は、後から知ったのですがクラスで2番目か3番目かくらいに人気があった男の子と付き合っていたようです。
私としては恋愛とは全くかけ離れた世界線にいる人のイメージだったのでかなり驚いた記憶があるのですが、この作品中でも学生時代の由井は桐原という背の高い男の子に惹かれ、良い感じのところまで行きます。
そことそこがくっつくんだ〜
と思ったことが皆さんにも何度か経験があると思いますがそのようなイメージです。
印象的だったところ
あるとき学校行事の合宿で由井と桐原は先生に内緒で夜中に各々の部屋を抜けて、逢瀬するシーンがあるのですが、先生にそれがバレてしまい二人で叱られてしまいます。そこで桐原は由井を庇うのですが、そこに桐原の由井を想う純粋な気持ちがギュッと濃縮されているとても良い場面だと感じました。
また、桐原はあまり由井に対して性的な下心を見せることはありませんでしたが、由井が桐原の家に行った際に
窓から見える線路に次に来た電車の色を、由井が当てることができたら今日は手を出さないであげる。
という桐原の言葉は男子学生の好きな子に対する素直な気持ちと、由井を想うが故に軽々しく手を出したくないという気持ち、などなど桐原の由井に対する色々な感情がこの一言に内包されていると感じました。
桐原はきっと自宅のすぐ近くの電車なので次に何色の電車が来るのかはわかっているのでろうと思いますが、あえて由井にも選択権があるような演出をするところが色男のそれだなーと感じました。笑
残念ながら、(?)この二人が直接的にゴールインすることはありませんでしたが、学生時代の思い出としてこれほど完成度の高いものもないように思います。
二人は大人になってから顔を合わせて再開することはありませんが、由井は桐原とは別の男性と結ばれ幸せに暮らしています。
一見するとこれは切ないですし、もう一度会えたら結婚したりする世界線もあったのかもしれませんが、それは会えなかったからこその感情のような気もします。
まとめ
10年越しに同窓会に行く時、大抵の場合は記憶の中の憧れの人はそのハードルを越えられません。笑
少し足りないくらいが、個人的な感情としてはその方が良いということもあるのかもしれないと思いました。
これがタイトルの意味するところなのかもしれませんね。笑
1ミリの後悔もない、はずがないはあわく切ない感情になりながらも、進む時間に適応していく登場人物の様子が逞しくも残念に描かれており大変面白い作品でした。
よければ読んでみてくださいね〜。
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