ボカロPの楽曲解説 ずっと真夜中でいいのに。編

音楽活動

ずっと真夜中でいいのに。お勉強しといてよ

ボカロPの楽曲解説 ずっと真夜中でいいのに。お勉強しといてよ編

こんにちは〜。

さてタイトルの通りです。

今回ご紹介するのは、ずっと真夜中でいいのに。さんで、お勉強しといてよ、です。

初見の方のために一応念押ししておくと、グループ名が、ずっと真夜中でいいのに、曲名が、お勉強しといてよ、です。笑

ではでは早速、見ていきましょう〜。

ずっと真夜中でいいのに。『お勉強しといてよ』MV (ZUTOMAYO – STUDY ME)
焼き焼きだ2/10発売フルアルバム「ぐされ」収録CD:: people who live outside of Japan, you can buy at CDJapan.『お勉強しといてよ』...




冒頭

はい。ドラムきっかけで始まってすぐの冒頭からぶっ飛ばします。

ギターの音作りは皆んな大好きジャキジャキサウンドでのハンマリングとスライドを入れたカッティングを使ったリフだと思います。

併せてベーススラップリフの交互の掛け合いです!!

このリフを軸にこの曲は展開されていくのでこの曲はコレだけカッコいいのでは無いかと感じます!!

特にこのスラップ、サラッとやってますがリズムの取り方が完全に玄人のそれです

ずとまよさんの曲ではボーカルのacaねさんが作曲されているようなのですが、この『お勉強しといてよ』は少し例外かもしれませんが、各媒体でインタビューなどをされている映像や記事を拝見すると楽曲単位で曲を作るということをされないようです。

あらかじめ沢山のパートを作っており、それを適当に組み合わせて一曲として仕上げる手法を取られています。

コレはサビを基調としている日本のポップスというフィールドにおいて、いい意味で異質だというふうに私は感じます。

通常は日本のポップスにおいてはサビにかけて風船を大きく大きく膨らませていって、サビでドカンと一発かますようなイメージだとしたら、基本的にずっと爆弾がどこかしらで爆発しているような、そんなイメージです。語弊がありますが、捨てパートを極力作らないということですね。笑

さらにこのイントロはドラムが四つ打ちであることに加えて、裏で鳴っているピアノの上下に忙しいフレーズが、とーても印象的です

これは意図的だと思いますが、すごく不安定な印象を受けます。しかしコレがあることによってただのノリノリ四つ打ちロック的なニュアンスから、ずとまよらしさ、が出ていると思います。

バンド名からもなんとなく感じる通りどこか影を感じる、今風の繊細さを潔く楽曲に取り入れている事がずとまよの魅力の一つだと思います。

このゴリゴリ感と不安定さ、を共存させているのに一役かっているのがストリングスだと思います。

コレがスケールの音を手堅く抑えているのでコレだけモリモリにしても、聴けるとっ散らかり、に落ち着けることができます。

ただ暴れ回るだけではなく、要所をきちんと押さえて音楽として成立させているあたり、流石だなぁと感じます。

Aメロ

イントロがあけて、一節目です。

質のいい病み感情が溢れた時の〜、しょうがないって言葉は照れ臭い〜

おーん、素晴らしいですね〜。笑

イントロで散々はしゃぎ回って、Aメロがベースとドラムの最小限のビートになって最初、そんな事言っちゃうの?笑、みたいな事です。初めから畳み掛けるようにコチラを振り回してきます。笑

またacaねさんの、か弱い女の子声がコチラの注意を半強制的に惹きつけてきますねー。笑

きっとメンヘラに惹かれる男性心理ってこういう事なんだろうなと少し分かってしまいます。笑

またacaねさんはきっとメンヘラが一定の割合で支持されるこの仕組みについて、ふか〜く理解されているのでは無いでしょうか?笑

コレをあえて突き詰めていき自身の楽曲に落とし込む潔さとそれを出来るだけの表現の賢さが素晴らしいですよね。大好きです。

続きます。

想像力が無限大魅力的なんで〜、意味わかんない言葉にも期待していい〜、

さあ、相変わらず何言ってるのかさっぱりわからないですが、コチラの想像力をかき立てるだけの魅力が確かにあるのがやはり強いです。笑

私は朝カレーしか食べません。

コレをイチローが言うのか、その辺のおっさんが言うのかで真意はどうあれ含蓄の深さが違います。笑

続きます。

昨日の思い出お洗濯したって相変わらず、乾かないや、寒がりな、季節に〜

この辺りからサビにかけてどんどん加速していきます。加速させるために効果的に使われているのが韻になります。acaねさんのライムはホント癖になります。

乾かないや、寒がりな、

で特に強めに踏んでますね〜。笑

あぁ〜勿体ぶっていいから、このまんま焼き焼きだ、押しつぶされる無敵め〜

焼き焼きってなんなんでしょうね

確実に韻を踏んできます。更に加速します。

チッチッチッチッチ、チーでまた加速からの〜

褒め合いライム合図変わらず乾かないや、寒がりな季節に〜

乾かないや、寒がりな、です。略

あぁ〜勿体ぶっていいからこのまんまヤンキーヤンキーだ、現状維持の無敵め、うぉお〜

ヤンキーヤンキー、いいですね〜、笑笑

さあコレでトップスピードになりました。

サビ行きますよー。




サビ

ファンキーな直感で〜、今日の歌だって変わってくなら〜

きましたね。神です。笑

お気づきでしょうか?焼き焼きとヤンキーヤンキーはこのサビの一言目のファンキーな〜、のための布石だったんですね〜。

確かな技術と工夫が散りばめられています。

更にサビのドラムフィルきっかけからのオケパートですがこれはイントロとおそらく同じです

朝、同じ電車に乗っている人に何となく好感を持ちやすいということが言われます。

これは心理学の用語で単純接触効果とか言うらしいですが音楽においても似たようなことが言えます。同じパートを繰り返されたり、同じリフを聞くことが本能的に好きだと人間の脳は設計されているようです。笑

つまり、この曲冒頭で散々はしゃぎ散らかしていたのも全てacaねさんの策略の中だったわけですね。実に恐ろしいです。天才的ですね。笑

イントロのバチバチ感に拍車をかけるようにacaねさんの歌声が響く響く。笑

サビでは楽曲において特に歌パートでは1番高い音を使うことが多いと思います。この一環として跳躍と言って、簡単にいうといきなり高い音を出すという事が多用されるのですが、人間が歌っている以上、狙っている音に上がり切らずに若干上ずるような歌い方になりがちなのですか、バッチリ併せてくる歌唱力もあります。最高です。

カラオケで採点機能付きで適当にヒット曲を歌ってみるとサビでなんか音が若干外れるなーという経験は無いでしょうか?

ベースソロ

サビが終わってベースソロです。

サビの歌パートから食い気味に下側から何処かグッと持ち上げるようにベースソロが入ってきます。

めちゃくそうまい!!

また、ここでも抜け目なく冒頭のギターリフを裏で鳴らしており、サビまでに加速した勢いを完全には切らないような工夫もされているのでは無いかなと思います。

2番

Aメロ2周目から2番です。

ここで一旦、曲のボルテージを落ち着けます。

音数が少なくなるほどベースが偉いです。

またストリングスの音が高い部分を持っているので対比が効いて相乗効果的に引き立て合っていると思います。

当然のようにエレキベースとストリングスを合わせる所も素敵です!!

個人的には、ずとまよの曲は既成概念とかわたし知らないって感じの韻書を強く受けます。

ストリングスの細い音はacaねさんの声質とホントによく合います。

さてBメロサビと2番は1番と大体同じようになぞります。サビ前のベースフィルがカッコいいですね。

ピアノソロ

2番サビがあけて、今度はピアノソロです。

の曲の不安定な要素にあたるピアノソロですが1番ベースソロの時に裏でギターリフを鳴らしていたのと対応するようにここでは冒頭のスラップベースリフを鳴らしており不安定だけど曲としての一貫性を保ち続ける工夫がされています。やはり芸が細かいです。

Cメロ

ピアノソロがあけてCメロです。

私を少しでも思う弱さが〜、からですね。ボーカルソロみたいなイメージが強いかもしれません。

この後、大サビが来るということもあってここはポップスのセオリー通り曲中で1番落ち着けます。ほぼベースのみから、ふた回し目でドラムで勢いをつけていきます。

大サビ

ピアノフィルから大サビです。

ファンキーな〜直感で〜、

いや〜、完璧ですね〜。笑

ここでも頭にキメを作っており3周目でも飽きさせない工夫がきちんとされています。仕事が丁寧です。

ただ泣きたくて悔しくて集めちゃった感情参考書、お勉強しといてよ〜

acaねさんの書く詩はおそらく曲への音の響きに対するアプローチが強いのですが、要所要所で耳に残りやすい参考書などの単語を置かれているのですごいなーと思います。

この後から転調して更にボルテージをあげます。クライマックスです。ここまでサビのベースはスラップリフでしたがボーカルをしたから持ち上げるようなベース音を迫り上げるパターンに切り替えています。ほんとに二家本さんは仕事できますね〜。笑

サビ歌い終わりからピアノが暴れ回ってイントロと同じような形で最後に余韻を残すような終わり方をします。カッコいい。

ありがとうございますって感じです。笑

まとめ

曲自体とは直接的に関係ありませんが、ずっと真夜中でいいのに。のacaねさんは顔出しをされていません。

最近はこういったアーティストが以前より増えたように思います。

確かに見た目ではなく曲で評価してほしいというニュアンスもあるとは思います。

しかし、あえて隠すことによってこちら側の理想像を想像させる余地を残しているのではないでしょうか?

各々の中でこうあって欲しいという偶像のようなものを無理に捻じ曲げず、

『じゃあそういうことにしておきましょう。』

という感覚のアーティストがこうして現に若者から特に支持を得ているということは昨今の価値観を映し出しているのではないかと思います。

この曲は本当に大好きな一曲でライブにお邪魔させていただいた事も有るのですが、忘れもしないライブの三曲目に最初のドラムきっかけが来た時もう死んでもいいかも〜とか思いました。笑

その時のライブで即興でアレンジして一曲演奏するみたいな企画があったのですが、メンバー同士での最初の打ち合わせをされている時にacaねさんが、ボソボソと無機質なおにぎりから有機的なロボットに進化する感じで行きましょう。と言われていたのがすごく印象的でした。

でわでわ本日は以上になります。

最後まで読んで頂いた方本当にありがとうございました。各種SNSもやっておりますので良ければ見てやってくださいね〜。笑

また、ライブバージョンもすごく好きなので良ければご覧下さい。


この時のacaねさん、めっちゃ可愛いです。なんとなく工場っぽいイメージのステージをイメージカラーの紫で照らす中で、か弱い声で叫ぶように歌うacaねさんの衣装からヘアメイクからシルエットから大好きです。ぜひ、見て下さいね〜。笑

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