【ショートショート 1000文字】 『SNS運用』(オリジナル短編)

小説

こんにちは〜!

本日もブログをご覧いただきまして、ありがとうございます。

今回はオリジナルの超短編を書きました。

1000文字なので3分くらいで読んでいただけます!!

【ショートショート 1000文字】 『SNS運用』(オリジナル短編)

『こんにちは、皆さん!最近、SNSの使い方がどんどん変わってきているのを感じませんか?フォロワーを増やすのって大変ですよね!私も日々試行錯誤しています!』

スマホ画面右下に表示される、ライブ配信の視聴者数がちょうど1億人を超えた。

男は話を続ける。

『そんな中で、面白いアプリを開発しました!それは、AIが自動でフォロワーを増やしてくれるというものです!』

誇らしげに語る男の口調が、今日という日が彼にとって、夢にまで見た日であることを雄弁に物語る。

『このサービスでは、AIが自動的にフォロワーを増やし、投稿内容を最適化してくれるんです。ユーザーはただアカウントを作成し、AIに任せるだけで、瞬く間にフォロワー数が増加し、インプレッションも急上昇するんですよ!!』

便利。

そう思った。

スマホの画面を、下から上へとスワイプし、ホーム画面から件のアプリをダウンロードした。

その日から、3年が過ぎた。

最初は、このアプリに飛びついた人々も、次第に自分自身でSNSを利用することが少なくなっていった。

なぜか?

AIが生成するコンテンツは完璧で、エンゲージメントも高かったが、それゆえに人間が作るコンテンツが埋もれていった。

そこには人間らしい温かみや個性が欠けており、独自性のない完全性に裏付けられた、完璧につまらないもので溢れかえった。

厄介なことに、こうした作用が一度優勢になってしまうと、歯止めが効かなかった。

AIが作ったコンテンツは、優先的に各ユーザーの目に触れるように、最適化されていたので、人間の作る不完全な独自性が生み出すコンテンツが、それに太刀打ちすることはできなかったのだ。

そうして、もはや植物状態とも言えるSNSが出来上がった。

今となっては3年前の時点で、成れの果てと言われたTwitterも、そこそこ良かったのではないかと思う。

完璧なデザインで投稿される、誰の目にも触れることのないコンテンツが、自分のスマホで作られ、投稿され、それに対する空虚なのコメントがつき、いいねがついていく。

そうして行われた茶番の数に応じて、そこそこの広告費が、私の銀行口座に流れ着いた。

ふと、画面上のバーを見ると、午前3時18分を示している。

うっすらと反射するスマホ画面には、真っ暗な部屋の中、ブルーライトが照らす私の青ざめた顔が、亡霊のようにこちらの様子を伺う。

最後に洗ったのがいつかわからない、シワだらけの布団の中で私は思う。

『幸せ。』

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!!

次回もよろしくお願いします!

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